【おなか脱力腰回し①】痛み・しびれが改善する「腹ペコ脱力」|カラダネ

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【おなか脱力腰回し①】痛み・しびれが改善する「腹ペコ脱力」

著者:清水整形外科クリニック院長 清水 伸一

脊柱管狭窄症の悪化は腸腰筋の硬直・萎縮も原因

腰部脊柱管狭窄症の発症や悪化には、おなかの奥深くで腰椎(背骨の腰の部分)を支えている「腸腰筋(深腹筋ともいう)」の硬直・萎縮(専門的には拘縮という)が大きく関係しており、脊柱管狭窄症の患者さんに多くがこの腸腰筋が硬直・萎縮している傾向があります。

腸腰筋の硬直・萎縮は脊柱管狭窄症のしびれや痛みを起こりやすくしてしまい、腸腰筋をほぐすことで症状の緩和も期待できます。
ここでは、腸腰筋を効果的にほぐす「おなか脱力腰まわし」の体操を紹介します。
腸腰筋の硬直について詳しく知りたい方は、みんなが陥る盲点!頑張りすぎで脊柱管狭窄症が悪化する!?おなかの深層筋の硬直・萎縮に要注意をご覧ください。

腸腰筋を効果的にほぐす3つの「おなか脱力腰回し」

腸腰筋をほぐすためには「リラックスして脱力する」ことが重要になります。なぜなら、症状を治したい一心で一生懸命に体操やリハビリをやりすぎて、過度に体を力ませて、かえって腸腰筋の拘縮を招いているからです。

そこで私がおすすめしたいのは3つの「おなか脱力腰回し」です。ここでは、その1つである「腹ペコ脱力」のやり方を説明します。

●「おなか脱力腰回し」の他の2つの運動については……
【おなか脱力腰回し②】 坐骨神経痛にも効果大「足ブラ脱力」
【おなか脱力腰回し③】仙腸関節を効果的にほぐす「腰ブラ脱力」

腹ペコ脱力のやり方

具体的な腹ペコ脱力のやり方を解説しましょう
腹ペコ脱力は、始めに①口から息を吸いながら腹筋の力で下腹をへこませていき、息を吸い切ったところで、②鼻から息を吐き出すとともに、一気に下腹の力を抜き脱力ということを行います。

①のときには、おなかをへこませながら肛門を締め、②のおなかの力を一気に抜くさいには肛門に入れた力も一気にゆるめます。
腹ペコ脱力のコツは、②の脱力のさいには鼻からフッと勢いよく息を吐き出し、一気に脱力することです。

ポイントは呼吸を忘れないこと

この緊張と弛緩との大きなギャップをくり返すことで、拘縮した腸腰筋がゆさぶられて血流もアップし、腸腰筋に酸素や栄養が行き渡るようになって、拘縮がほぐれていくのです。

注意点は、行っている間は呼吸を止めないことと下を見ないようにすることです。おなかと肛門に力を入れて、おなかをへこませつつ肛門を締めていくさいに、口から息を吸うのを忘れがちになります。また、筋肉は息を吐いたときにゆるむ性質があるので、弛緩するときにはしっかりと息を吐きましょう。

腹ペコ脱力は、5回行うのを1セットとして、朝・昼・晩に1セットずつ実践するのを基本とします。それに加えて、症状が気になるときにも積極的に行ってください。台所などで立って作業をするとき、掃除をする前など時間を決めて習慣にすると毎日続けられて効果も高まります。
また、腹ペコ体操を立って行うのが大変な人は、下の図のようによつんばいになって行っても構いません。
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・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。

・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

狭窄症Part02_cover.png出典:わかさ夢ムック13 脊柱管狭窄症に絶対勝つ!新研究で続々わかった!あっと驚く自力克服道場パート2
http://wks.jp/mook013/
著者:清水伸一


●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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