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【学ぶ】基礎知識

狭窄症で首が痛い!「首の脊柱管狭窄症」とは?(クリニック院長が解説)

著者:清水整形外科クリニック院長 清水 伸一

中高年が悩む難治性腰痛の原因として、腰部脊柱管狭窄症という病名が近年一般にも広く信用してきました。そのせいか、首の痛みや頑固な肩こり、手のしびれを訴える患者さんが「頸部(けいぶ)脊柱管狭窄症」と診断される例が増えてきたようです。
みなさんの中にも、すでに医師から頸部脊柱管狭窄症と診断された人が少なくないでしょう。ここではその頸部脊柱管狭窄症について解説します。

首の脊柱管狭窄症については以下の記事もご覧ください。

首の脊柱管狭窄症は、脊髄と神経根の圧迫が原因

01_09_03_re.jpgでは、どのような病態を頸部脊柱管狭窄症と呼んでいるのでしょうか。
狭い意味では、頸椎症(変形性頚椎症)の中でも、頸椎症性脊髄症と頚椎症性神経根症を頸部脊柱管狭窄症と呼ぶ場合が多いようです。これらは、頸椎の加齢性変化によって、椎骨にトゲ(骨棘という)が生じたり、椎間板がつぶれたり、靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)が肥厚したりすることで神経が圧迫されてしまう病気です。
脊髄が圧迫されれば「頚椎症性脊髄症」、脊髄から左右に枝分かれする神経根が圧迫されれば「頚椎症性神経根症」となります。神経根症の場合には、保存療法(手術以外の治療法)によって改善が期待できますが、脊髄症になると多くは手術が必要になります。
また、広い意味では、頸部椎間板ヘルニアや頸椎の弯曲異常(ストレートネックなど頸椎の前弯が失われた状態)も含めて、脊柱管がせまくなれば頸部脊柱管狭窄症と診断するとらえ方もあります。

女性に多発する首の脊柱管狭窄症

頸部脊柱管狭窄症には、まだ疫学研究の報告がほとんどありません。ただ、日常の診断経験から、30代より増えはじめ40~50代がピークと考えられます。もちろん60代、70代、80代の患者さんもたくさんいます。
腰部に比べて発症年齢が若いのは、もともと頸部は脊柱管が狭くてデリケートなため、少しの加齢性変化で症状が顕在化しやすいからと考えられます。そのため、男性より女性のほうが、肩こりなどが多く頸部脊柱管狭窄症を招きやすいと考えられます。
また、肉親に頸椎症などの病歴がある人は、生まれつき首の脊柱管が狭い可能性があるので、要注意でしょう。

首の外傷や日常の姿勢による原因で脊柱管が狭窄されることもある

しかし、なんといっても問題なのは、首の外傷と悪い姿勢でしょう。交通事故によるむち打ちや柔道やレスリングの技、サッカーのヘディングなどで、軽度でも首の外傷を負えば、椎間板や靭帯が変性し首の脊柱管が狭窄しやすくなります。
さらにデスクワークや車の運転、パソコン、ゲーム、携帯電話の操作を続けて、前かがみのネコ背姿勢がクセになっていると、ストレートネックを招いてしまいます。すると、頸椎の椎骨や椎間板、靭帯や筋肉に過度の負担がかかり、脊柱管が狭まります。まずは日常的なネコ背を改めることが先決でしょう。
そのほか、女性ではハイヒールや重いネックレス、更年期障害によるホルモン異常やストレスも肩こりからくる弯曲異常につながります。片側の腰に常時ぶらさげている警察官や美容師には、頸部脊柱管狭窄症と診断される人が多いのも特徴です。

神経根症は上半身に症状が出るが、保存療法で改善可能

頸部脊柱管狭窄症は、①首筋の張りや肩こりから始まります。前かがみのネコ背姿勢を長時間取る人や、普段からネコ背の人は、首や肩のこりを訴えることが多いですが、それはいつも首の後ろの筋肉が緊張しているせいです。
そうした状態を放置すると、首の弯曲異常を招いて、やがて首の脊柱管狭窄症を起こしやすくなるので要注意です。
首や肩のこりに加え、片側の首から肩、腕、手にかけて部分に痛みやしびれが生じたり、力が入らなかったりする症状がある場合には、脊柱管の狭窄によって神経根が圧迫される頚椎症性神経根症が疑われます。上を向くと痛みが強くなるなど、首の動きで症状が変化するなら、その可能性が高いでしょう。首を横に曲げたり後ろに反らしたりすると、上半身に痛みやしびれが広がる場合には、さらに可能性が高まります。
この、頚椎症性神経根症であれば、薬物療法・温熱療法・神経ブロック注射・牽引療法・頚椎カラーの着用などの保存療法を行えば充分に改善が望めます。

箸も持てない程のしびれや歩行障害などがでる脊髄症では手術が必要

もし、左右両側の首、肩、腕、手などにしびれが起こったり、足にも及んだりしているなら、脊髄が圧迫されている疑いがあります。ひどくなると、箸がうまく使えない、ボタンかけができない、コインがつかめないといった、日常生活での不便や、足がもつれる、階段の上り下りに難儀するなどの歩行障害も起こります。さらに、頸部脊柱管狭窄症では、自律神経に異常をきたし、頭痛・吐きけ・耳鳴り・めまい・イライラ・ウツなどが起こることも珍しくありません。
また、まれに排尿や排便に障害がでることもあります。このような症状が現れる頚椎症性脊髄症で狭窄による圧迫が強くなると、「脊柱管拡大術」や「脊椎固定術」といった手術が必要になります。上記のような症状が出た場合は医師に相談しましょう。

首の脊柱管狭窄症の特効体操

●水平あご引き

脊柱菅狭窄症を引き起こす大きな原因が「姿勢」です。水平あご引きは、姿勢を正して脊柱菅狭窄症を根治に導く体操の一つ。くわしくは下記のリンクをクリックしてください。

●重力首伸ばし

カイロプラクティックの理論を応用して考案されました。床に四つんばいになり、頭頂部が真下に向くようにゆっくりと首を曲げるだけの簡単体操です。行ったその場で症状が改善する人もいるとか。くわしくは下記をクリック。

●三角もみ

痛みやしびれを生む筋肉のしこり「トリガーポイント」。首の狭窄症に見られるトリガーポイントを上手にほぐすことができるのが三角もみです。下記をクリックしてくわしいやり方をチェックしてください。

●頸椎リセット体操

首の脊柱管狭窄症の原因となるストレートネックや首ネコ背。これを正すには頸椎リセット体操が効果的です。下記をクリックしてくわしいやり方をチェックしてください。

●首の背骨コンディショニング

首・肩・手腕の痛み・しびれの軽減に効くと、首の背骨コンディショニングが今評判です。くわしくは、以下の記事でご覧ください。

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