[脊柱管狭窄症のマル秘ツボ]大物財界人も通うカリスマ中医師が直伝〜①腰痛には「大腸兪」〜|カラダネ

【治す】自力改善

[脊柱管狭窄症のマル秘ツボ]大物財界人も通うカリスマ中医師が直伝〜①腰痛には「大腸兪」〜

著者:東京中医学研究所所長 孫 維良

脊柱管狭窄症は、足腰の痛み・しびれなどが主な症状としてあげられます。しかし、足腰の痛み・しびれだけでなく、お尻や太ももなど痛む部分は人によって異なったり、足裏の違和感やこむら返りなど複数の症状が同時に現れたりする場合があります。
このような患者さん一人ひとりに対応するのは非常に難しいのですが、そんなときに頼れるのは自分自身の手でツボ刺激を行う「ひとりあんま」。
中国4000年の歴史が育んだツボは、「足裏に違和感がある」「なんだか胃の調子が悪い」など、いわゆる「未病」と呼ばれる症状の改善におすすめです。

そこで、中国で推拿医師として活躍し、現在、大物財界人や芸能人もお忍びで通う東京中医学研究所の所長であり、中医学を広めるカリスマ中医師・孫維良先生に、脊柱管狭窄症におすすめのツボ刺激「ひとりあんま」を教えてもらいました。
今回、紹介するのは、脊柱管狭窄症の患者さんの最大の悩みともいえる「腰痛」の改善が期待できるツボ押しです。
「病院や治療院に通っても、なかなかよくならない」と感じる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

高齢者の多くが「腎虚」に陥っている

腰部脊柱管狭窄症になると、腰や足の強い痛みやしびれだけでなく、間欠性跛行や排尿・排便障害といったさまざまな症状が出現します。
これらの症状に対して東洋医学では、脊柱管狭窄症を含む慢性腰痛は「腎虚(じんきょ)」が原因と考えます。
腎虚とは、人間の成長や発育をつかさどる「腎」がエネルギー不足に陥った状態です。生命力の源である腎の働きは、加齢とともに衰えるため、高齢者の多くが腎虚といっても過言ではないと私は考えます。
東洋医学では、病気は生体のバランスの乱れと考え、生体のエネルギーである「気」のバランスを重視します。気が不足したり流れが停滞したりすると病気が生じると考えるので、私たちはふだんから気の停滞を除いて巡りを円滑にしなくてはなりません。

自分自身の手で狭窄症の症状を改善

そこで、気の巡りを円滑にする簡単なセルフケアが、私の専門とする推拿(すいな)療法です。推拿は、手で病気を改善に導く中国の伝統療法で、押す(按法)・なでる(摩法)・もむ(揉法)・押し動かす(推法)などの手法があり、あんまや指圧として日本でも親しまれています。
推拿のよさは、特別な道具は必要ないので、セルフケアとして誰もが実践できるところです。特に、私が考案した「ひとりあんま」の方法は、脊柱管狭窄症のさまざまな症状を緩和する大きな助けとなるはずです。
気の停滞や乱れを知る手がかりとなるのが、経絡(けいらく)とツボ(経穴(けいけつ))です。経絡は気の通路であり、気は経絡の中を一定方向に走行しています。経絡は、縦に走る主要経路である「経脈(けいみゃく)」と、そこから分かれて手足などの末端に延びる「絡脈(らくみゃく)」で構成されています。
経絡上には気の集まるポイントがあり、それがツボといわれる部分。経絡が電車の路線なら、ツボは駅のようなもの。気の出入り口であり、気の乱れもツボに出現し、ツボがゴリゴリと硬くなります。
実際に、脊柱管狭窄症の患者さんのツボを刺激する試験では、腰痛・下肢痛が軽減し、歩行距離が延びたという報告もあります。

腰痛・下肢痛に効く「大腸兪」

さて、実際に脊柱管狭窄症に関わるさまざまな症状が改善するであろうツボの一つを紹介しましょう。
さまざまな症状がある人は、腎につながる経絡の気が不足している状態と考えられるので、腎と密接に関係する膀胱経という経絡を中心にケアをします。
慢性腰痛に対応する膀胱経の「大腸兪(だいちょうゆ)」というツボは、第4・第5腰椎間(腰椎とは背骨の腰の部分)の両わきにあります。具体的には、第4腰椎のすぐ下から親指の横幅で1.5本分ほど横ですが、ツボの位置は人によって違い、一般の人が正確にツボをとらえるのは至難の業です。
ですから、握りこぶしを作って大腸兪のあたりをトントンとたたいてください。この方法なら、「点」でツボが探せなくても、「面」でツボをとらえることができます。
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たたく場合は一定のリズムを保って、たたいている場所がじんわりと温かくなるまで続けてください。東洋医学的には、膀胱経の気の停滞を解消するための方法ですが、痛んだ部分の筋肉は固くなっているので、固まった筋肉をほぐす意味でも有効です。

大腸兪のツボ押しの指導で腰痛がすぐにラクになった人も

脊柱管狭窄症の腰痛に長年悩んできたという50代の男性Aさんは、大腸兪を軽い力で5分ほどたたいたところ、その場で腰の痛みずいぶんと軽くなったと実感したようです。
数日続けると、さらに痛みが和らぎ、立ち上がったときに腰がスッと伸び、動きが軽やかになったというAさん。それからは、腰痛が起こったときは大腸兪を痛くならない程度の力でたたき、痛みを抑えたといいます。

ぜひ、みなさんも自宅でできる簡単セルフケアのツボ刺激を試してみてはいかがでしょうか。

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

出典

出典thumbnail.jpg●脊柱管狭窄症克服マガジン 腰らく塾vol.3 2017年夏号
・腰らく塾の情報はこちらから
http://wks.jp/publication/koshiraku/

・電子書籍は、こちらからご購入ください
Kindle(amazon)の電子書籍ページ

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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