足腰の冷えしびれにプラス[温]!石原新菜先生おすすめの冬の【冷え取りショウガレシピ】|カラダネ

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足腰の冷えしびれにプラス[温]!石原新菜先生おすすめの冬の【冷え取りショウガレシピ】

著者:イシハラクリニック副院長 石原新菜

「冬になると足腰の痛みやしびれが悪化する」と感じている人は少なくないはず。
実は、体が冷えて血流が滞ると痛みやしびれ、間欠性跛行などが悪化することがわかっています。
そこで、体を内から温める食材をプラスした食事を取ることがおすすめです。
そこで、この記事では「冷え取りショウガレシピ」をおすすめしているイシハラクリニック副院長・石原新菜先生にショウガのくわしい成分などを解説してもらいます。

冷えで症状が強まる悪循環を断つ

冬は、体が冷えて血流が滞りやすいので、腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)の足腰の痛みやしびれ、間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)が悪化しやすい季節です。

体が冷えを感じると、「プロスタグランジン」という発痛物質が生じて痛みが強まるのと同時に、血管が収縮して神経の働きも鈍り、しびれや間欠性跛行が生じやすくなるとされます。
すると、患者さんは体を動かすのがつらくなり、血流が一段と滞るのです。その結果、痛み・しびれなどの症状が重症化する悪循環に陥りやすくなります。この悪循環を断ち切らないと、痛みやしびれのために精神的に参ってしまうこともあるでしょう。それを防ぐために、ぜひとってほしいのが、体を内側から温めてくれる「ショウガ」です。

ショウガには、冷え対策の成分が豊富に含まれており、その代表的なものが辛み成分の「ジンゲロール」やジンゲロールを加熱してできる「ショウガオール」です。
実は、ジンゲロールやショウガオールには、プロスタグランジンの働きを抑えて血管の収縮を防ぐ作用があります。そうして血流が少しでもよくなると、血液とともに熱が全身に運ばれて、体温が上昇し、冷えによる痛みの悪循環を断ち切ることができるのです。

さらに、ショウガの体温上昇作用は水分代謝、糖代謝、脂質代謝などの代謝機能を整えるのに役立ちます。そのため、日本で使われる漢方薬の約7割にショウガが使われているほどです。
もちろん、プロスタグランジンの働きを抑えれば炎症も治まるため、痛み対策にもなります。その効果は、消炎鎮痛薬のイブプロフェンに匹敵することが、イランの大学の研究で報告されているのです。

ショウガをとれば1時間後もポカポカ

ショウガの体温アップ作用も、いくつか報告されています。例えば、滋賀県立大学の試験では、健康な女子学生12人を対象に、常温の水150mlにショウガの乾燥粉末0.5g(生のショウガ5.9gに相当)を溶いたものを飲んでもらい、1時間後に額や首、手首など各部位の表面温度を測りました。
さらに後日、その12人に同じ条件で常温の水150mlだけを飲んでもらい、ショウガの粉末を溶いた水を飲んだときの体温の変化と比較したのです。

その結果、ショウガを溶いた水を飲んだときだけ、摂取後の体温が最大で1℃上昇し、1時間後までその変化が持続していました。

便利で効果もアップする自分で作れる「干しショウガパウダー」がおすすめ

では、冷えを防いで狭窄症を少しでも改善に導くには、ショウガをどうやってとるのがおすすめでしょうか。それはショウガを加熱してショウガオールを増やすことです。

実は、ショウガオールは、体脂肪の燃焼を促して熱を作り出す作用があるのです。ショウガオールを効率よくとる秘策は「干しショウガパウダー」にすることです。
干しショウガパウダーとはスライスしたショウガを蒸してから、天日に干して砕いた粉末食品です。

手作りするほか、健康食材店や通信販売などで市販品を入手することもできます。
干しショウガパウダーなら料理や飲み物に振りかけるだけで、手軽においしくショウガオールがとれます。
もちろん、加熱していないショウガでジンゲロールをとることも冷え対策におすすめです。

●干しショウガパウダーの作り方

①ショウガをよく洗ってから、皮つきのまま1mm厚にスライスする。厚切りだと乾燥しにくくなるので、できるだけ薄く切る。
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②蒸し器にクッキングシートを敷き、ショウガを重ねないように並べる。水が沸騰した状態で約30分、ショウガの甘い香りがしてくるまで蒸す。
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③蒸したショウガが重ならないようにざるの上に広げ、天日で1日、または室内で1週間干す。触ったときパリパリの状態になったら完成。
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④干しショウガをすり鉢に入れて粉末になるまでする。大きすぎてうまくすれない場合は、キッチンバサミで細かくしてから行う。
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冷え取りショウガレシピ集

・記事の内容は安全性に配慮して紹介していますが、万が一体調が悪化する場合はすぐに中止して専門医にご相談ください。
・医療機関にて適切な診断・治療を受けたうえで、セルフケアの一助となる参考情報として、ご自身の体調に応じてお役立てください。
・本サイトの記事は、医師や専門家の意見や見解であり、効果効能を保証するものでも、特定の治療法・ケア法だけを推奨するものでもありません。

出典

腰らくVol.5表紙_epub.jpg●脊柱管狭窄症克服マガジン 腰らく塾vol.5 2018年冬号
・腰らく塾の情報はこちらから
http://wks.jp/publication/koshiraku/

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●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。


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