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【治す】自力改善

首の狭窄症を招く[首ネコ背]になっていませんか?首の激痛・手腕のしびれを解消する名医考案[頸椎リセット体操]

著者:清水伸一

みなさん「首ネコ背」という言葉を聞いたことがありますか?実は、背中が丸まる悪い姿勢の代名詞「ネコ背」と同様に、首も丸まって頸椎(背骨の首の部分)がまっすぐになる「ストレートネック」になり、さらにゆがみが悪化しストレート(まっすぐ)どころか、ネコ背のように後方に曲がってしまう「首ネコ背」に陥ってしまう人が数多くいます。この首ネコ背は、首の脊柱管狭窄症を引き起こす重大原因のため、一刻も早く解消する必要があります。
そこで、この記事では、簡単に首ネコ背を解消し、首の脊柱管狭窄症を改善させる「頸椎リセット体操」を清水伸一先生が紹介します。



●首の脊柱管狭窄症についてくわしく知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。

ストレートネックがさらに悪化した「首ネコ背」

私は、これまで数多くの首の病気の患者さんを診療してきました。その経験の中で、患者さんに共通して見られるある首の異常に気がつきました。それは「首ネコ背」と呼ばれる形状異常です。
首ネコ背とは、本来は前方に緩やかなカーブを描いている頸椎(背骨の首の部分)がゆがみ、まっすぐになって前傾してしまう状態のことです。
こうした状態は、一般的には「ストレートネック」と呼ばれています。しかし、最近ではストレート(まっすぐ)どころか、まるでネコ背のように頸椎が後方にカーブしてしまうケースも珍しくなくなってきたことから、この記事では首ネコ背という名称を用いています。

首ネコ背で負荷が倍増し首の狭窄症を招く

首ネコ背に陥ると、頸椎への負荷や衝撃をうまく受け止められなくなり、頸椎や首・肩の筋肉に大きな負担がかかりつづけます。このときに増える首への負荷は、通常の2~3倍に及ぶともいわれています。
そして、首ネコ背は首の脊柱管狭窄症(頸部脊柱管狭窄症)を招く原因にもなります。脊柱管狭窄症というと、腰だけに起こる病気と思う人が多いようですが、実は腰と同様に首にも起こるのです。
ただ、今のところ整形外科では、頸部脊柱管狭窄症という診断名や診断基準は、正式なものとしては用いておらず、一般には「頸椎症性神経根症」と「頸椎症性脊髄症」を併せて頸部脊柱管狭窄症と呼んでいます。

ドミノ倒しのように首の骨が傾く

当然ながら、こうした状態では、椎骨が変形したり、椎骨と椎骨の間でクッション役を果たす軟骨組織である椎間板がつぶれたり、首周辺の筋肉が疲弊して硬直したりしやすくなります。こうした悪影響が、頸椎症や頸椎ヘルニア、首・肩のこりを招く引き金となるのです。
首ネコ背は、いわば首の7つの椎骨がドミノ倒しのようにくずれた状態といえます。頸椎の土台ともいえる一番下の椎骨の頸椎7番が前に少し傾き、それに伴って上にある頸椎6番がまた前に傾くといった要領で、頸椎全体が前に傾き、頸椎前弯が消えてしまうのです。

首ネコ背の原因はスマートフォン!?

首ネコ背が起こる原因の一つは、加齢です。そしてもう一つ、現代人が頻繁に取る悪い姿勢も、首ネコ背を招く大きな原因といえます。特に問題なのが「うつむき姿勢」と「あご出し姿勢」です。
うつむき姿勢とは、首を前に傾けて顔を下に向けた姿勢。あご出し姿勢とは、背中を丸めて、あごを前に突き出すように顔を前に向ける姿勢のことです。うつむき姿勢は、スマートフォンを操作したり、読書や料理などをしたりするときに取りがちです。
あご出し姿勢は、パソコンを使うときや自動車の運転中に取りやすい姿勢です。こうした姿勢が習慣化してくると、頸椎前弯が徐々に消えていき、若い人でも首ネコ背に陥ることになります。
009.pngまた、腰部脊柱管狭窄症も、首ネコ背と深いかかわりがあるのです。私のクリニックで脊柱管狭窄症の患者さんの頸椎をレントゲン検査で調べた結果、約80%の人に首ネコ背が見つかりました。また約40%の人で、首にも脊柱管の狭窄が認められています。

首ネコ背を矯正する特効体操「頸椎リセット体操」

首ネコ背を矯正するには、ふだんから正しい姿勢を保つように意識することが大切です。うつむき姿勢やあご出し姿勢などの悪い姿勢は、首ネコ背を招き、慢性化させる原因となるからです。
そして、より積極的に首ネコ背を矯正する方法としておすすめしたいのが「頸椎リセット体操」という自力整体法です。
背骨の中でも特に可動域(動く範囲)が広いのが、頸椎の一番下の椎骨「頸椎7番」と胸椎の一番上の椎骨「胸椎1番」が作る椎間関節で、ここは首のあらゆる動きの起点となっています。
頸椎リセット体操は、頸椎の土台となるこの「頸椎7番」にアプローチすることで、効果的に首ネコ背を正す方法です。
この頸椎7番を両手の指で押して支えながら、あごを水平に引くと「てこの原理」が働き、前傾した頸椎をらくに起こして、もとの自然な前傾を再形成(リセット)することができるのです。

頸椎リセット体操のやり方

それでは、ここからは頸椎リセット体操のやり方を解説します。
頸椎リセット体操は、立ったまま行っても座って行ってもかまいません。

①目線を正面に向ける

イスに座るか、直立した状態で肩の力を抜き、目線を正面に向けます。
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②頸椎7番を触る

両手の人さし指の指先を重ねて、後ろ首の下側にある頸椎7番の出っぱりに触ります。
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③頭部全体を水平に引く

やさしい力で頸椎7番をゆっくりと前方に押しながら、顔を正面に向けた状態を保ちつつ、頭部全体を後方へ水平にスライドさせるようにしてあごを引きます。
このとき、顔を下に向けたり、逆に首を後ろに反らしたりしないようにしてください。指で押さえた頸椎7番をてこの支点として、倒れた柱(頸椎)を引き上げるようなイメージで行うといいでしょう。
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④引いた状態を2秒保ち戻る

あごを引いた状態を2秒間保ったら力を抜いてもとの姿勢に戻します。また、頸椎は重要な神経が通るデリケートな部位なので、急に強い力を加えないように注意してください。005.png

1日に3セット行う

①〜④の動作を10回1セットとして、朝・昼・晩にそれぞれ1セットずつ行うのが基本です。

1〜2ヵ月で首ネコ背の解消が期待できる

頸椎リセット体操を行うと、その場で頸椎の傾きが一時的に正され、首・肩の痛みやこりが軽減するのも実感できると思います。しばらくすると、もとの首ネコ背に戻ってしまいますが、頸椎リセット体操を習慣的に行うことで頸椎の矯正が徐々に定着していき、1~2ヵ月ほど続ければ、実際に首ネコ背は解消されるはずです。ぜひ実践してみてください。
なお、背骨に炎症のある人、ガンの転移が疑われる人、上肢や下肢にマヒのある人などは、頸椎リセット体操を行わないでください。

出典

koshiraku_002thumbnail.jpgわかさ増刊号 脊柱管狭窄症克服マガジン「腰らく塾」 vol.2 2017年春号
http://wks.jp/koshiraku002/
著者:清水 伸一

●脊柱管狭窄症をいちから知りたい方は、ぜひ下の記事をご覧ください。

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