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【治す】自力改善

【実演動画つき】間欠性跛行と腰痛で歩けない緊急時に役立つ2つのお守りストレッチ

著者:清水伸一

本サイトでも多くの記事で解説している埼玉県の清水整形外科クリニック院長・清水伸一先生の新著「Dr.清水式 脊柱管狭窄症ベスト体操ハンドブック」(わかさ出版)が絶賛発売中です。
発売を記念して、誌面で紹介されている2つの特効体操「おじぎ仙骨スライド」と「ひざ抱え」の2つの体操を紹介します。
さらに、清水先生自ら体操を実演する特別動画も公開していますので、ぜひご覧ください。

●すぐに動画へジャンプ!(クリックすると動画の場所まで移動します)
・おじぎ仙骨スライドの動画はこちら
・ひざ抱えの動画はこちら

狭窄症で困ることは「歩き」と「立ち仕事」

健康雑誌『わかさ』で、読者を対象にした「脊柱管狭窄症実態調査アンケート」を実施しました(回答数512名:男性251名、女性261名)。
そのアンケートによれば、「生活で特に困っていることは?」という質問に対して、「歩行」と答えた人が53%で半数以上に達しました。
腰部脊柱管狭窄症(以下、脊柱管狭窄症)になると、特徴的な症状として間欠性跛行が現れます。間欠性跛行とは、歩いているうちに脊柱管を通る神経や血管が圧迫され、足腰の運動機能や感覚機能が低下し、こま切れにしか歩けなくなってしまう症状をいいます。また、痛みやしびれで歩けなくなるものの、前かがみになって休めば再び歩けるようになるのが特徴です。
私の患者さんたちも、横断歩道を渡る途中や駅のホームに電車が到着したときなどに間欠性跛行が起こると、車にクラクションを鳴らされたり、電車に乗り遅れたりして精神的に参ってしまうと話していました。
また、生活で困っていることの回答で2番めに多かったのが「立ち仕事」で29%です。
飲食店や量販店の店員、学校や先生、外回りの多い営業職など、立ち仕事がつらいと訴える人は多く、中には仕事が続けられず、休職や退職を余儀なくされた人も少なくありません。

このように、脊柱管狭窄症の症状は日常生活のさまざまな場面で唐突に現れます。しかし、ほとんどの人は前かがみの姿勢になり、時間をかけて症状が鎮まるのを待つことくらいしか対処のすべがありません。
それが患者さんの不安やストレスを増大させて外出を控えるようになったり、治療を受ける意欲が失われたり、あるいはウツに陥ったりするケースも数多く見てきました。
そこで、まずは眼前の症状に対して速効性を発揮し、苦痛を速やかに和らげてくれる方法を身につけておくことが大切です。急な痛みやしびれに対処できれば、余裕を持って日常生活が送れるようになり、日ごろの心細さや不安も薄らぐでしょう。
そこで、これから緊急時のお守り代わりになる2種類のストレッチを紹介します。いざというときに役立ててください。

お守りストレッチ①外出中でもできる[おじぎ仙骨スライド]

外出中に間欠性跛行が起こったときに、たまたま周囲に人がいなかったり、近くにベンチなどが設置されていたりすれば、腰かけて症状が鎮まるまで休めますが、そうでなければ人通りのある場所で地面に座り込むのは気後れするものです。
こんなときに、立ったまま足腰の痛みやしびれを和らげる方法はないかと相談されることが多かったため、さまざまな動作を試しながら、狭まった脊柱管を速やかに広げるストレッチを研究しました。
そして、脊柱管狭窄症の患者さんたちからも実践後の感想を聞く中で、間欠性跛行の回復を早めたり、その場で足腰の痛みやしびれを和らげたりするのに有効と確認できたのが、「おじぎ仙骨スライド」です。
このストレッチは、立った状態でおじぎをするように上体を前方へ倒し、骨盤の真ん中にある「仙骨」を両手で下方向に押すという体操です。
仙骨は、背骨の最下部に位置し、「背骨の土台」ともいわれています。土台と形容されているように、一般に仙骨は動かないものと考えられてきました。
しかし、仙骨は体の動きに合わせて、仙腸関節で1~2mmの範囲で動いているのです。微妙に動くことで背骨全体のバランスを取り、腰椎(背骨の腰の部分)や骨盤への衝撃を吸収する緩衝地帯の役割も担っているのです。
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この仙骨の動きが悪くなると、バランス機能や緩衝機能が失われ、腰椎への負荷が増して脊柱管の狭窄を強めたり、仙骨のすきま(仙骨孔)から延びる仙骨神経の圧迫を招いたりします。その結果、足腰の痛みやしびれも悪化してしまうのです。
おじぎ仙骨スライドでは、脊柱管狭窄症の治療で見過ごされがちな仙骨への手当てを加えています。この動作を行うことで狭くなった脊柱管が広がり、仙骨神経にかかる圧迫を軽減できるわけです。

さて、実際におじぎ仙骨スライドを行う前に、まずは、仙骨の「圧迫テスト」を試してみてください。圧迫テストを行うと、痛みやしびれの強弱に仙骨の動きも深くかかわっていることがよくわかります。
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立った状態で肛門より少し上の仙骨下部を軽く押し上げながら、腰を少し反らしましょう。こうすると痛みやしびれが少し強くなる人が多いはずです。
おじぎ仙骨スライドは、ほとんどの患者さんに有効ですが、この圧迫テストで症状が強まった場合は、特に改善効果が得られやすいといえます。

おじぎ仙骨スライドのやり方

さて、ここからいよいよおじぎ仙骨スライドのやり方を解説します。
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①痛むほうの足を後ろに引いて立ちます。
②両手を後ろに回して指先を重ね、お尻の上部にある仙骨の出っぱり(正中仙骨稜)に当てる。
③おじぎをするように上体を深く前に倒して腰を丸めながら、仙骨の出っぱりを下に向かってやさしくさするように押す。
※おじぎしながら仙骨をさすったら上体を起こし、再びおじぎをしながら仙骨をさする。この動作を5回くり返す。
※おじぎ仙骨スライドを行うさいは、転倒には十分に注意する

おじぎ仙骨スライドを行うさいの注意点は、仙骨を押す力加減です。
あまり力を入れすぎると、痛みやしびれが強くなることもあります。両手に加える力は、仙骨の出っぱった部分を下に向かってさする程度で十分です。両手の指先を重ねて、仙骨をやさしくさすりましょう。
なお、おじぎ仙骨スライドを行う前に、お尻の上部の広い範囲を両手で1分ほどさすり、お尻の筋肉をほぐしておくと改善効果を得やすくなります。
おじぎ仙骨ストレッチは、おじぎしながら仙骨をさするのを5回くり返し、これを1セットとします。外出中に間欠性跛行が起こったときは、最初にお尻の上部を両手で少し強めにさすり、それからおじぎ仙骨ストレッチを1~3セットほど行えば、痛みやしびれが速やかに軽減されるはずです。
また、歩行中もこまめに立ち止まっておじぎ仙骨ストレッチを行えば、間欠性跛行の発症も防ぐこともできるでしょう。

02_25_007.pngおじぎ仙骨スライドは、写真のようにイスに座った状態や横向き寝の状態で行ってもいいでしょう。


清水先生が実演!おじぎ仙骨スライドのやり方動画

お守りストレッチ②自宅なら速効性のある「ひざ抱え」

次に、足腰の痛みやしびれを防ぎながら家事など、自宅での日常動作を続けていくには、どうしたらいいのか。その方法として、ぜひみなさんに覚えておいてほしいのが「ひざ抱え」というストレッチです。
ひざ抱えは、脊柱管狭窄症で起こる痛みやしびれに速効性を発揮するため、特に自宅で症状が現れたときに活用すれば、お守り代わりの心強いストレッチになるでしょう。
そもそも痛みやしびれは、脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることが根本原因です。であれば、狭くなった脊柱管を広げて神経の圧迫を取り除くことが、痛みやしびれを和らげるための基本原則になります。
ひざ抱えは、あおむけに寝転び、両手で両ひざを抱えながらひざ頭を胸部に引き寄せる体操です。こうすると脊柱管や椎間孔(脊髄から左右に枝分かれした神経根の出口)が広がり神経の圧迫もゆるむので、症状は速やかに軽減されていくのです。

ひざ抱えのやり方

ひざ抱えのやり方は、以下の通りです。
02_25_008.png①床にあおむけに寝て、全身の力を抜く。両太ももの外側と裏側を両手で1分程度さすりマッサージします。
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②両ひざを90度に曲げて立てます。
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③両手で両ひざを抱え、ひざ頭を胸部に引き寄せます。このとき、腰を丸めて、お尻を浮かせます。この姿勢を20秒保ったら、1の姿勢に戻り10秒間休む。2回くり返すのを1セットとして、朝晩に各1~2セット行うのを習慣にすると効果的です。

清水先生が実演!ひざ抱えのやり方動画



ひざ抱えを行うときは腰を丸めて、お尻を浮かせるのがポイントです。お尻を浮かせると、脊柱管や椎間孔の間がより広がるので、症状の改善効果も大きくなります。
また、足腰に痛みやしびれが現れたときだけでなく、ふだんから習慣的にひざ抱えを行うと、先ほど紹介した腸腰筋・脊柱起立筋・大殿筋などが柔軟性を取り戻します。
これらの筋肉が柔軟になれば、腰椎をサポートする力が増して脊柱管狭窄症の悪化を防げるだけでなく、足腰の可動域(動く範囲)も広がって歩きやすくなり、間欠性跛行も起こりにくくなります。

02_25_011.png※腰を丸めづらい人、お尻を浮かせづらい人は、写真のようにお尻の下にクッションやバスタオルを敷いてもいいでしょう。
2つのお守りストレッチ「おじぎ仙骨スライド」と「ひざ抱え」をぜひ覚えて、日常生活の苦労や不便を解消してみてください。

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