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【治す】自力改善

[痛みナビ体操・実践編その3]狭窄症の常識が通用しない側方改善型に有効の「お尻ずらし」

著者:銅冶英雄

お茶の水整形外科院長・銅冶英雄先生が開発した「痛みナビ体操」は、狭窄症の改善率が高い特効体操です。この記事では、痛みナビ診断(タイプ判定)で「③側方改善型」と判定された人に特効の「お尻ずらし」の体操を解説します。

この記事を読む前に、まずは痛みナビ診断(タイプ判定)で判定を行ってください。
痛みナビ診断(タイプ判定)については、以下の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症の改善率71%!腰痛にも効果大の画期的な運動療法「痛みナビ体操」とは?

また、痛みナビ診断(タイプ判定)で、側方改善型以外の判定だった人は以下の記事をご覧ください。
[痛みナビ体操・実践編その1]約6割を占める前屈改善型の人に最適な「壁おじぎ体操」
[痛みナビ体操・実践編その2]すべり症にも効果大!後屈改善型の人に最適な「壁反らし体操」

「お尻ずらし」は常識の通用しない狭窄症にも対応する

私が開発した「痛みナビ体操」はまず自分の脊柱管狭窄症のタイプを判定する「痛みナビ診断(タイプ判定)」を行います。そこで、「③側方改善型狭窄症」の判定に当てはまった人は、この記事で紹介する「お尻ずらし」を試してください。
一般に、脊柱管狭窄症の症状は、前かがみ姿勢を取るとらくになり、腰を反らすと痛みやしびれが強まる、と半ば常識のようにいわれています。
しかし、その常識が通用しない症例も実はたくさんあり、後ろに体を反らすと症状が改善する後屈改善型狭窄症や、この記事で紹介するお尻ずらしで改善する側方改善型狭窄症などもあるのです。
側方改善型では、足腰の片側だけに強い痛みの現れることが多いという特徴があります。運動の反応としては、左右のどちらかにお尻をずらしたときに症状が増強し、反対側にお尻をずらしたときに症状が緩和するのが特徴です。

側方改善型は変性側弯症を併発することが多い

では、脊柱管狭窄症と診断されているのに、側方運動で症状がらくになるのはなぜなのでしょうか。
これまでに説明したように、腰椎(背骨の腰の部分)の脊柱管の狭窄を招く要因は一つではありません。椎間板の膨隆や突出、靭帯の肥厚、腰椎のすべりのほか、背骨が加齢とともに左右方向にゆがんでしまう変性側弯などでも、脊柱管は狭められます。
その結果、足腰の痛みやしびれ、筋力低下、排尿・排便障害といった症状が現れてくるのです。脊柱管狭窄症で神経の圧迫がどんな原因で生じているのかは、画像検査を駆使しても誰にもわからないブラックボックスです。
しかし、ここで大切なのは、側方運動を行うことによって、実際に、脊柱管狭窄症の痛みが改善したという事実です。その反応をしっかりとらえて体操を続けていけば、脊柱管狭窄症はしだいに改善していくことでしょう。

腰椎を横方向に動かすお尻ずらし

02_20_001.png側方改善型狭窄症の人におすすめしたいのが、壁にひじをついて体を支えて立ち、腰を側方に動かす「お尻ずらし」です。お尻ずらしなら、外出先にいても頑丈な壁さえあればいつでもできるので、継続して行いやすいでしょう。
壁にひじをついたまま行うのは、立ってお尻を横にずらす動きは、慣れないうちは難しいからです。ひじをついて行えば肩が固定されるので、胸椎(背骨の胸の部分)に対して腰椎を横方向に的確に動かしやすくなるのです。
また、壁にひじから先をついて行えば安定するため、足腰の衰えを感じている中高年でも、不安を覚えることなく、少ない負担で安全にお尻ずらしの体操を行うことができるという利点もあります。
お尻ずらしを行ううえでの注意点としては、両肩を結ぶラインが水平になるように心がけることです。肩が下がって傾いてしまうと側屈体操になってしまい、腰椎の下部が十分に動かないのです。
なお、側方改善型狭窄症の場合は、お尻ずらしなどの側方体操を行って症状が改善してくると、それにつれて、前屈改善型狭窄症や後屈改善型狭窄症にタイプが移行することがよくあります。
痛みの変化を注意深く見守って、そのつど、痛みナビ診断のタイプ判定で自分に合う運動方向を見極めてそれに応じた体操を行うことが、根治への王道といえるでしょう。

お尻ずらしのやり方とコツ

ここからは実際に、くわしい壁おじぎのやり方を解説しますが、まずは、側方改善でも自分が左右どちらの改善型なのかをもう一度確認してください。
そもそも、側方改善型狭窄症の人は、痛みが改善する腰椎の運動方向の違いによって、左改善型と右改善型に分けられます。
いうまでもなく、体の左方向に腰を動かすと痛みの範囲や強さが改善する人は左改善型、右方向で痛みが改善する人は右改善型となります。
そして、右改善型の人は腰を右方向に動かすお尻ずらしを、左改善型の人は腰を左方向に動かすお尻ずらしを行えば、脊柱管狭窄症による痛み・しびれ・間欠性跛行(こま切れにしか歩けなくなる症状)などの症状の改善が期待できることになります。
側方改善型の人がお尻ずらしをやれば、早ければその日のうちに症状の軽減を実感できるでしょう。もしすぐには症状がらくにならない場合でも、最低1週間はお尻ずらしを続けてみてください。

まずは、腰を自分の右側に動かして改善する「右改善型」の人のお尻ずらしです。

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[1]壁にひじをついて立つ

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①両足を腰幅に広げて、壁を右側にして立ち、上腕が水平になるように立ち位置を調節して壁にひじをつく。
②左手を腰骨に当ててまっすぐ立つ。

[2]お尻を真横にずらす

02_20_004.png①左手に力を入れて腰骨を真横に押し、お尻を右方向にずらすように水平に動かします。
②その姿勢を2~3秒保ったらお尻を戻すことを10回くり返して1セットとします。

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つぎに、腰を自分の左側に動かして改善する「左改善型」の人のお尻ずらしです。

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[1]壁にひじをついて立つ

02_20_005.png①両足を腰幅に広げて、壁を左側にして立ち、上腕が水平になるように立ち位置を調節して壁にひじをつく。
②右手を腰骨に当ててまっすぐ立つ。

[2]お尻を真横にずらす

02_20_006.png①右手に力を入れて腰骨を真横に押し、お尻を左方向にずらすように水平に動かします。
②その姿勢を2~3秒保ったらお尻を戻すことを10回くり返して1セットとします。

02_20_009.pngお尻ずらしをうまく行うコツは、両肩を結ぶラインをできるだけ水平に保つことです。
壁の反対側の肩が下がってしまうと、背骨全体が曲がる側屈になってしまいます。すると、脊柱管が狭窄しやすい腰椎の下部に有効な側方の刺激を加えることができず、せっかく体操を行っても、その効果が十分に得られなくなってしまいます。
うまくお尻ずらしができない人は、むしろ壁の反対側の肩を上げるくらいの意識で行ったほうがうまくできることがあるので試してみてください。
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お尻ずらしは「片方だけ」行うのが鉄則

ここで一つ注意が必要なのは、お尻ずらし体操をすすめると、左右両方向に腰を動かすのがいい、と勘違いしてしまう人が多いことです。しかし、それは大きな誤りです。
今回紹介している痛みナビ体操では、痛みを道しるべ(ナビゲーション)として、あくまでも痛みが改善するといういい反応が得られた運動方向の体操だけを続けることが大原則となります。
つまり、右方向と左方向の両方向に腰を動かすのではないのです。右でいい反応があれば右方向のみ、左でいい反応があれば左方向のみに腰を動かす体操を行うので注意してください。
すでに述べましたが、お尻ずらしで改善する側方改善型狭窄症の場合は、体操を行って症状が改善してくると、それにつれて、前屈改善型狭窄症や後屈改善型狭窄症にタイプが移行することがよくあります。
ですので、体操後にはきちんと効果判定を行い、変化があらわれたらそのつど痛みナビ診断(タイプ判定)に戻って効果的な運動を再度確認することも重要です。

体操を行った後は必ず効果判定を

痛みナビ体操では、各種の体操を試したあとに「痛みナビ診断」と同様の効果判定を必ず行って痛みの変化を確認してください。体操の効果の有無を確認しながら、継続すべきかどうかを判断していくのです。
効果判定でも重要度の順に、①痛みの範囲、②痛みの強さ、③動きやすさで判断していきます。
3段階の効果判定で、体操を行った直後に改善が認められた場合は、その体操が適していると考えて毎日継続して行えばいいでしょう。体操を行うたびに痛む範囲が徐々に狭くなり、やがて痛みが軽減される可能性が高くなります。
反対に、体操を行った直後に悪化が認められた場合は、その体操が適していない可能性があります。その場合は、タイプが違うことも考えられるので、再度、痛みナビ診断のタイプ判定に戻って、自分の脊柱管狭窄症のタイプを確認しなおしたほうがいいでしょう。
体操を行ってしばらく改善が続いていたのに、ある日から改善が停滞してしまう場合もあります。脊柱管狭窄症による症状は、さまざまな要因によって変化するので、実際には、そうしたこともよく起こります。
体操を行った直後の痛みの範囲や強さの変化が「不変」と判断できれば、まずは1週間ほど継続してみましょう。

痛みナビ診断(タイプ判定)については、以下の記事をご覧ください。
脊柱管狭窄症の改善率71%!腰痛にも効果大の画期的な運動療法「痛みナビ体操」とは?

出典

狭窄症_痛みナビ_cover.pngわかさ夢ムック5 腰の脊柱管狭窄症が革新的自力療法[痛みナビ体操]で治った!
http://wks.jp/mook005/

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